大陸の風

水面下に、中華人民共和国土産が届いた。剥き甘栗を数個ず真空パックした個包装のおやつがたくさん入ったものである。
古くから食物の安全性についての報道を聞いて、気にする方が体に悪いという主張を続けていた私も、昨今の中国食品報道については、ねたが多すぎていささか食傷気味というか文字通り食って怪我しちゃいかんなあと思ってしまいがちである。
食傷といえば、以前、水面下で、誰が何の業務をつかさどるのかという話が頻繁に繰り返されていたのを見て「職掌分担の話には食傷だぜ」と思ったことがあるぜ。
ともかく、中国土産という時点で警戒するようになってしまった私であるが、剥き甘栗は大好きで、中国土産でなくとも国内で流通しているそれはおそらく大半が中国製であろうし、私はそれを食ってきた。よって、この土産もいただくことにしたのだが、個包装のひとつを手に取ったとき、付箋のメモが気になった。
外箱を開封した人が、日付に関する内容を付箋紙に書いて貼ってくれたようだ。外箱の蓋を手にとって読んでみる。たくさんの漢字とわずかなひらがな、一部英文字などが使われていて、漢字の意味はよくわからないのだが、英文を読むと、印字された日付は付箋のメモにあるとおり製造年月日で、賞味期間は6ヶ月と知れた。
さて、製造年月日はどこに印字されているのだろう。蓋を何度か持ち上げひっくり返し、付箋メモの下が怪しいと捲ってみたりするが、どこにもない。手元の個包装パッケージにも日付は見当たらない。まさかと思って外箱の底を見ても何も書かれていない。
パッケージの英文だけが、日付について触れているのなら、気にしなかっただろう。しかし、社内の誰かが、わざわざメモを添えたのだ。どこかに日付が書いてあるはずだ。
再び外箱や付箋のメモをためつすがめつしたが、やはりどこにも見当たらない。
手元の個包装パッケージをいったん箱に戻し、しばし悩む。三度外箱を調べたが見当たらないので、気になるが気にせず食おうと思って個包装パッケージを手に取った。開封しようとしたとき、2007 08 15という文字が目に入った。なんだ、こっちに印字されていたのか。いや待て、さっき手に取ったやつには確かに何も印字されていなかったはずだ。
箱には10個以上の個包装パッケージが残っていた。逐一見ていくと、そのうちの2つは、日付が印字されていなかった。
そもそも印字されていたとしてもその日付は自己申告なので、確かめようがないし、賞味期限が過ぎたところで死ぬわけではないし、それこそ気にする方が体に悪いのだろうが、あるべきものがない状態のものが混じって出荷されているというおおらかさに感激。こいつがたまたまそうだっただけかもしれんけどね。