甥も重いお芋想いもういい


あるものに対する評価を「◎」といってしまう感覚からして看過し難い。阿蘭修次のせりふ「死後は◎だぜ」は、私が米原秀幸の作品ならば無条件で肯定するという思考回路になっているからこそ受け容れられた。あまつさえこの例では自画自賛のために「◎」を使っている。驚きを禁じえない。
「死後は◎だぜ」が登場する巻は、最新の7巻ではなくたぶん6巻↓

単行本が発売されたことは知っていたが、なかなか店頭で見つからず、といって注文してまで買うほど熱心ではなかった漫画を2冊買った。

ジジジイ -GGG-(1) (モーニング KC)

ジジジイ -GGG-(1) (モーニング KC)

この人の漫画の主人公は飛んだり跳ねたりに長けている。絵と台詞回しが好きだ。

GIANT KILLING(2) (モーニング KC)

GIANT KILLING(2) (モーニング KC)

この原作者のU-31を読んだとき、私の中学校のときの同級生、安永もまだまだこれからだと思っていたら、去年引退してしまった。U-31は絵も癖が強かったが、GIANT KILLINGの絵は比較的読みやすくて好きだ。フットボール漫画ではあるが、どちらかというと試合中の描写はおまけで、試合以外での人物関係や心理描写が主題(多分)。

↓は買ったのではなく、借りて読んだ。山口県で育った私は、小学校の修学旅行の行き先が広島、中学校のそれが長崎であった。自分が認識している限り、身内で被爆した人はいないのだが、原爆に対しては、なんとなく身近なような、遠いような感じがあった。この本のあとがきに書かれている作者の原爆に対する立場に親近感をおぼえた。

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

原爆の直接的な被害の描写はほとんどなく、絵の迫力で何かを訴えるというものではない。世代を超えて原爆の影響におびえるというよりも諦めたり、むしろ生き残った人たちが後ろめたさをおぼえたりといった有様をどちらかというときれいめの絵で描いてあり、読後感はしかしなんつうか重い。
核兵器作ったやつが悪いので死ね」と書いてしまうともう死ね死ね勝負でなんだかわからない。
なんだかわからないついでに不謹慎風味のことを書いておく。私が知る限りで「なんとか人」を一度に大量に虐殺した最高記録保持者は、滅び行く故郷の星から脱出・移住するために、地球を訪れたバルタン星人の円盤(体を縮小して、全バルタン星人20億人が乗り込んでいる)一機を、スペシウム光線一発で破壊したウルトラマンである。