ひろしと

zushonos2007-06-02


体調がすぐれない。すぐれないというのは自分に対して使う表現としてはなんだか偉そうだがともかくすぐれない。直接の原因は急性なんとか炎らしいが、ストレスフルデイズが続いたので、弱っているのだろう。stress-free と stressfully は私の耳では判別できんよたぶん。
ストレスィズの中でも顕著なのが、水面下で使用しているPC用キーボードの不調であった。ところでピアノなどのキーボードは鍵盤といいますがPC用のそれを鍵盤というのはあまり聞いたことがありませんね。
私と鍵盤の馴れ初めはおそらく保育園通園中のヤマハ音楽教室であったが、キーボードとのそれはおそらく小学校低学年時に自宅にあったMSXである。記憶が定かではないが、これは借り物で、一ヶ月足らずしか自宅に置かれていなかったと思う。ファミリーコンピュータが我が家にやってくる以前の出来事で、ゲームソフト「ステップアップ」がセットされていた。そのため、PC(当時は「マイコン」だったかもしれん)というよりもゲーム機という認識しかなく、何のためにたくさんのキーがあるのかわからなかった。
時は経ち、たぶん友人が持っていたファミリーベーシックのキーボードに触る機会も何度かあったが、自宅に常駐するキーボードというのは、小学校5年生のときに買ってもらったPC8801FAのそれが最初であった。このときもラストハルマゲドンを筆頭に、スーパー大戦略など、ゲーム機として見ることがほとんどであったが、マイコンBASICマガジン掲載のプログラムリストはわりと頻繁に入力しており、それなりにキーボードは叩いたものだ。当時から、キーボードを見ずに入力するブラインドタッチというやつについてはその存在を認識していたとは思うが、この頃はそれができず、ほとんどキーボードを見て入力していた。プログラムの内容も理解しないまま入力していたものだから、最後の行まで入力が終わって、最初に RUN A(Aはファイル名ですが当時私はだいたいこんなファイル名をつけていた。拡張子をどうしていたか思い出せない)した後のSYNTAX ERRORの量は大変なものであった。
さらに時は経ち私が高校生のとき、ほとんどゲーム機に過ぎなかった88FA(と略したものだ)に代わり、我が家にPC9801DAがやってきた(買ってもらった)。これは主に大戦略IVなどで遊んだゲーム機であったが、ワープロソフトもどうにかして手に入れて、学校に提出する文章も書いたりした。ベーマガ(前出のマイコンBASICマガジンの略)掲載のプログラムリストも相変わらず入力していた。このころになるとリストに書かれている文の意味がなんとなくわかるようになっていて、また、タイピング技術自体の向上も手伝って、SYNTAX ERRORの量は減ってきたが、入力するリストが長くなっていたので、やはりそれなりにエラーが出た。ある日、高校の先生がOCRスキャナを導入したので試しにBASICのプログラムリストを読み込ませてみたいので、なんでも好きなリストを持ってこいといわれ、ベーマガを持っていて実験したら、全くエラーなしで動いたのを目の当たりにして、自分の無力さを思い知ったことがあった。晩年には100MBの外付けSCSIハードディスクドライブを買ってもらい、ファイル管理ツールのFDを使うようになったころには、ファンクションキーの存在意義を認識し、RUNと入力せずにF5を押すようになった。ようやくキーボード上にあるキーの持つ意味がそれなりにわかってきた。ちなみにBASICで英文入力が必要だったので、日本語入力はローマ字入力でおぼえた。マウスを初めて常用したのもこのときである。
大学に入ってすぐ、当時はいわゆるDOS/Vマシンが普及し始めていて、Windowsはまだ95発売の直前だったのだが、たしか4月中にGATEWAYのタワー型PCを買った。キーボードはENTERキーが2段分ある英語キーボードだった。個人的なテキストを入力したり、大学で使うテキストを入力したり、パソコン通信を始めてそれ用のテキストを入力したりするようになってきたので、このころおよそ現在のブラインドタッチの原型ができた。
大学ではインターネットに常時接続された共有PCが比較的自由に使えるようになっていた。ほとんどが富士通DOS/Vマシンで、キーボードはよくある日本語キーボードだったと思う。当時自宅のweb接続環境はモデムを使った28.8Kbpsのダイヤルアップだったので、長時間webで遊ぶときは学校のPCを利用していた。大学2年からは、高校までの同級生で、大阪の大学に入学した友人と毎日のように長文メイルをやりとりするようになった。学校内での他人との交流がほとんどなく、人間とのコミュニケイションといえばアルバイト先のパソコン屋での会話と、週一回、静岡在住の友人に深夜かける長電話のみだった私には、友人とのこのメイルやりとりが心の支えとなっていた。内容は基本的に思い出話だった。友人も暇だったのだろう、直前の文章のみを引用し、それ以前の文章は消去するというルールがあったが、一問一答というか、一文に対し必ず一文以上の返答をするろいう不毛っぷりで、また、直前文章までしか引用しないルール故、少し前の内容を忘れて同じ話題を頻繁に繰り返したりして、回を重ねる毎に長文化していった。長文志向はたぶんこのやり取りに起因するところが大きい。また、タイピング技術の向上に役立ったのも間違いない。
これと同時期に、住所入力(使用機器はPC9801VMだったか)やテキスト入力(マハーポーシャ製PCも置いてある事務所であったが私が使ったのは富士通かどっかのPC)のアルバイトを始めて、メイルと相乗効果でタイピング速度が増し、またhtmlやperlスクリプトを書いたりし始めたので、テキストエディタを常用するようになったのもこのころである。それまでは数値の入力は10キーに頼ることが多かったが、住所入力のアルバイトで、番地を入力するために10キーに手を動かすのが苦痛になり、一番上の行の数値キーを使うようになった。ホームポジション付近から手を動かすのが苦痛になってきて、さまざまなキーボードショートカットを覚えた。この頃、現在のタイピングがほぼ完成していたと思う。
自宅PCは、ThinkPad220、PC110、ThinkPad535、他人作の寄せ集めパーツのDOS/V機、自分作の寄せ集めパーツDOS/V機と、入れ替えたり追加されたりしていった。水面下でアルバイトを始めたときに仕事用に割り当てられたPCはDynaBookで、これまでに使ったマウス以外のポインティングデバイストラックポイントというかアキュポイントというか、ともかくスティック状のあれで、ホームポジションから手を動かす範囲が少なくて済むことに大変満足していた。自宅で常用するPCは、その後省スペース性を重視して、いずれもノート型で、VAIODELLのPCと工人舎のPCを併用するに至っているが、いずれもタッチパッドを採用していて、これはこれで受け容れた。
さまざまな種類のキーボードに触れてきたし、データ入力アルバイトを除けばタイプ速度の遅れが命取りになるような仕事でもなかったので、QWERTY配列でさえあれば、その他の記号のキーは少々どこにあっても対応できるようになった。通常のファンクションキーとは別に、ノートPCならではのファンクション(Fn)キーの位置も、左下隅でも、その隣でも、どちらでも一応順応している。
この間一瞬の地上勤務を経た後水面下に復帰して長い。勤務先では机上を広く使いたいので、ノートPCのときはよかったのだが、1年半前にデスクトップPCに切り替わったとき、付属の10キー付きのキーボードが大きすぎると感じ、自前でキーボードを用意することにした。マウスに手を持っていくのが面倒なので、ポインティングデバイス付きのキーボードを用意しようとしたが、なかなか見当たらない。いろいろ調べると、10キーなしで、ホームポジションからあまり手を動かさずに使えるポインティングデバイスが付いていて、入手可能なのは、lenovoのトラベルキーボードか、1011PUというキーボードの2種類に絞られた。lenovoのやつは少々お高く、また最初に行った店に1011PUの在庫があったので即決。
このキーボードは、ノートPC風にスペースキーの手間にタッチパッドがついているのだが、ドライバが同梱されておらず、またWEBで検索しても見当たらない。Windows標準のドライバでタッチパッドを認識してくれるのはよいのだが、タップによるクリック機能嫌いの私にとっては、この機能を停止できないのが苛立たしかった。その点以外はおおむね好調で、1年半は無事に動いてくれていたのだが、晩年は左クリックボタンがまともに機能しなくなってしまい、いうなればファミリーコンピュータにおいてよく陥っていた、A,Bボタンを酷使した結果まともに反応しなくなったような状態で、大変なストレスを強いられるようになったのである。ここでやっと冒頭のキーボード不調に起因するストレス話につながった。
キー本体ではなく、ポインティングデバイスのせいではあるが、キーボードを使いつぶしたのは初めてだ。こうなったらもうキーボード買い替えである。ポインティングデバイスありきで調べると、1年半前とさして状況は変わっていない。同じキーボードを買えばまた1年半でつぶしてしまいそうだ。1週間ほど迷った挙句、コンパクトキーボード+トラックボールという代替案を思いついた。外付けタッチパッドも存在するようだが、店頭で扱っている店は見つけられず、また1万円近い価格が気に入らない。
月曜日の水面下帰りに秋葉原に行って、あらかじめ目をつけていたいくつかの商品を実際に触ってみてから決定した。
キーボードはHappyHackingKeybord Lite2。

PFU Happy Hacking Keyboard Lite2 英語配列 USBキーボード ホワイト PD-KB200W/U

PFU Happy Hacking Keyboard Lite2 英語配列 USBキーボード ホワイト PD-KB200W/U

HappyHackingKeybordの存在は以前からなんとなく知っていたが、くそ高いという印象しかなかった。しかしLite2はまあそれなりのお値段である。あまりの値段の違いに、Lite2はHappyHackingKeybordとして認めない筋もいるのだろうなあと心配してはみたが、気にしないことにした。なにより適度に小さいのが良い。
トラックボールLogicoolのMarble Mouse。キーボードの手前、真ん中に置いて、ホームポジションの状態で右手親指を伸ばしてボールを動かし、左手親指でボタンをクリックする、昔のLet'sNote式を狙ったため、親指でボールを動かす設計になったものは除外すると、トラックボールの種類も存外少ないという印象を受けた。ともかくボールが真ん中にあるやつを買おうと思っていたら、英語版のパッケージが少々安かったので即決。
翌日水面下に持っていって実戦投入。概ね好調だ。キーボードもなかなか。が、トラックボールの模様を見ていて気分が悪くなったのか、発熱してしまい、午後から休む。翌日も体調がすぐれず一日休んだ。木曜金曜は首から下が気持ち悪いまま出勤。
2日を経て、キーボードとトラックボールの組み合わせにかなり馴染んできた。HappyHackingKeybordは、たぶんそのキータッチと、最小限にまとめたキー配列が売りなのだと思う。よく知らんけど。最小限の一環として、通常のキーボードにあるファンクションキーすら、ノートPC風のファンクション(Fn)キーを押しながら数値キーを押して入力することになる。カーソルキーやPageUp/PageDnキーも通常のキー+Fnキーに割り当てられていて、全てのキーがホームポジション内にあるのだ。これが実に良い。LiteでないHappyHackingKeybordにはそもそもカーソルキーがなく、Fnキーとの複合使用が前提のようだ。
カーソルキーやファンクションキーにすら手を移動させない使い勝手を、Fnキーと、その他のキーの効率的な組み合わせで実現しているのである。ともかくこれは気の利いたFn(ファンクション=機能)キーだ。あら、このネタ以前にも使ったかしら。あ、そう、昨日聞いたのですか。失礼しました。あとは木の浮き板とか。しつこくてすみません。しつこいといえば終わりの会