あひる売ります

zushonos2006-10-23


先日、一家総出でファンになった姐さんとのファンの集いが催された。今回は嫁妹も参加。嫁妹と姐さんが会うのは2回目だったのだが、なんだか共通点が多いこの2名は、即興のコンビ芸を披露してくれた。
以下一例:嫁妹が「姐さんは手が大きい」と主張すれば、姐さんは「そんなことはない、むしろ小さい方だ」と否定。誰からともなく、一行の中で最小の嫁妹と手の大きさ比べが提案された。姐さんと嫁妹が同時に実行に移す。互いに右手を差し出したため、うまく比較できない。3秒後、こんどは両者が左手を差し出し、同時に右手を引っ込めた。
酒も入った焼き鳥屋でのできごとで、一同笑いを誘われた。その後姐さんと嫁妹は、自身が思いやりの心の持ち主であるからして、相手が動かないものという前提で自分が動くのだ、狭い通路で対向者があるときは左右に体を降り続けることもしばしばであると主張した。
結局、手の大きさは比べられることなく、話題はほかに移っていったが、その場では誰も気づかなかった。
ファンの集いは焼き鳥とカラオケで一人当たり3000円程度の出費。一同楽しんでいただけたようで、かつそこそこ安上がりで、よかったよかった。で、嫁、嫁妹と姐さんの仲良しぶりに嫉妬。
翌日、当月分のクレジットカード請求が届いた。請求金額が高額で驚いたが、明細にざっと目を通すと、SX4の保険と5人用テントの請求が同時に来ていたので納得。ついでに明細を見ていて、別件で驚いた。
賢明な読者ならお気づきだろうが、という表現はしかし誰が満足するのかね。書いた人も相手が賢明かどうかわかるわけではなし、わかった読者も自分が賢明だと思って満足するでもなし、わからなかった読者に至っては賢明でないと言い渡されたようなものであるし。で、賢明な読者ならお気づきだろうが、ここから先はしばらく余談というか、結びに向けての背景説明が続きますよ。
幼少期に履いた靴についての記憶はあまりないが、宇宙刑事ギャバンのイラスト入りの靴は持っていたような気がする。あの手のイラスト入り靴はなぜか地色が青っぽかったような気もする。男児向けの地色→青、女児向けの地色→桃、という色分けがあったのかもしれん。小学校に入学すると、通学も体育も放課後も(多分)冠婚葬祭も月星ジャガーΣ。やや毛羽立ったような加工のインナーソールの蛍光っぽい水色と、かかと部分に印字された墨文字のサイズ表示「23.5 EE」てなやつが思い出される。足のサイズが変わったり、履きつぶしてしまったりすると、荒木耳鼻科に通うついでに、新天町か銀天街の天狗屋に立ち寄って新しいやつを買ってもらった。6年間で10足くらい履き替えたのではなかろうか。ちなみに、上履きは男→つま先部が青いゴム、女→つま先が赤いゴムの運動靴であった。やはり標準は月星バレエシューズとかなんとかだったと思う。脱げにくいように、足の甲の中央部分に左右にゴムの帯が渡されていて、この部分に、黒マジックで所属学級と苗字を書くのが標準的であった。所属学級については「○年○組」「○−○」「○の○」といった流派が混在していたが、うちでは母が「○の○」で書いてくれていたが、そのうち自筆するようになり、その際「○年○組」あたりを試したがやはりしっくりこなかったような気もする。体育館での体育のときも上履き着用だったと思うが、体育館シューズということばも記憶にあり、ただこれは中学校以降の概念だったかもしれない。さらに思い出したが、呼び方は上履きではなくて上靴が標準的であった。どういうわけか1年に2回くらい誰かの上靴が行方不明になったものだ。そんでもって当時は通学用靴も上履きも頻繁に洗っていた。靴洗い用ブラシや洗剤も比較的小学生の目に付きやすいところで販売されていたと思うし、市だか県だかの教育委員会か何かで編纂したのであろう夏休みの工作冊子の巻頭には、過去の優秀作品という見出しで、毎年、ドライヤーを使った靴乾燥機が紹介されていた。
小学生のころ使用したその他の履物といえば、ゴム草履やサンダルが多い。低学年時、親が毎週のように県内の山登りに行き、それに同行した時期があるが、おそらくはジャガーΣ中心に着用し、サンダルで登ったこともあった。また、丸久恩田店で内側起毛、くるぶしまでの高さ、ソールはスパイクっぽいブロックパターン、紐ではなくベルクロとめの白メイン、一部紺色をあしらった靴を買ってもらったのはおぼえている。それに前後して丸久恩田店で迷子になって館内放送をしてもらったことも思い出した。いや迷子で館内放送は大和中央店だったか。先日巨大家具店に行ったとき、迷子になった兄弟が手をとりあって店内を移動しながら、兄は泣きながら「お母さん」と叫び続け、弟はそんな兄を「大丈夫だから」となだめているという場面に出くわした。おそらくその声が耳に入ったであろう何人かの店員は、接客にいそしんで兄弟の方を見ようとしない。最近子どもにもてなくなってきた私が声をかけると誘拐しようとしているようにも見えかねないと危惧し、ここは制服着用の店員にまかせるのが得策であろうと思いながら、兄弟を追いかけるように移動し、「店員仕事しろよ」と怒声を上げたが、それ以前に「お母さん」が仕事をするべきだ。その兄弟を目撃してから1分ほど経って、ようやく他に仕事をしていない店員が兄弟を捕獲し、お母さんを探しに行ったようだ。で、迷子になったときのうちの母ちゃんは我が子を見張るという仕事をしていたんじゃろか。
10歳を超えると、目的にあわせて作られた靴というものが存在することに気づき、トレッキングシューズとかワークブーツとかなんとかに興味を持つ。高校卒業まで、適当にねだったり、お年玉で買ったりで、何足か履きつぶしていった。
バイクに乗るようになると、バイク用の靴が欲しくなる。これまでの10年で5足くらい履きつぶした。オフロード用ブーツも買った。バイクと関係ないスニーカー風の靴も買った。サンダルも買った。
これらの靴を購入したのは、天狗屋であったり、ペンブロークであったり、シーモール内の靴屋であったり、バイク用品屋であったり、ゴールドウィンのバーゲンであったり、REIのバーゲンであったり、靴のチヨダであったり、ABCマートのセールであったりした。
で、靴流通センターや東京靴流通センターで靴を買ったことがなかった(少なくとも記憶にない)のだ。前者と後者が靴のマルトミ系と靴のチヨダ系で別のものであったということは今回これを書いていて初めてはっきりと認識した(前述のように靴のチヨダでは何足か買ったことある)。
故郷の近所には東京でないほうの靴流通センターが何店かあったが、どこかでなんとなく「ここで買ってはいけない」という先入観を得てしまい、そもそも入店した記憶があまりない。大学で東京に住み始め、バイクでいろいろ移動し始めると、東京都近辺で頻繁に東京靴流通センターを目撃するようになった。単なる思い込みかもしれんが、東京都内では発見できず、都外でやたら目に付いたことから、こちらには靴流通センター以上のうさんくささを感じてしまった。
陳列や品揃えはほとんど変わらないチヨダ系のザ・シューズには、靴から飛び出すキャラクターに抵抗を感じながらも何度か入店したことがあることを考えると、あの赤青白(靴)またはオレンジ+白(東京靴)の看板と「流通センター」という文字面に、プロフェッショナルな響き感じ取り、素人相手でないのだという妄想したのがそもそもの始まりのような気もする。
そうやって避けてきた流通センターであったが、3ヶ月ほど前、自宅の近所に、そこそこ立派な駐車場付きの東京靴流通センターが開店した。開店直後に、庭仕事用のサンダルが欲しかったので立ち寄ってみた。とっくにわかっていたのだが、素人も相手にしてもらえる靴屋だった。サンダルを購入した。
そして8月末、この東京靴流通センターで、靴用の防水スプレーと消臭スプレーをクレジットカードを使って購入した。その分が今回の請求の明細に記載されていた。
以下が今回の結びの部分。
今回の明細一覧をざっと見渡すと「ご利用店名および商品名」のリストは、おおむね、漢字かな混じりの全角フォントを使ったものと、半角カナを使ったものが半々といったところ。東京靴流通センターのそれは後者であった。
半角カナはいろいろあって嫌いなので、区別がつきにくくなるwindowsプロポーショナルフォントもついでに嫌いである。ともかく、嫌いな理由の一つに、濁点があると2文字の空間を占めることになり、他の文字より悪目立ちして気持ち悪いというものがある。東京靴流通センターの表示も例に漏れず、途中の濁点のせいで気持ち悪い、と、感じた。
あなた、ちょと待つ(日本語に堪能なアジア人風)。「東京」にも「靴」にも「流通」にも「センター」にも、濁点は含まれていないはずだ。明細をもう一度よく見てみる。濁点は確かにあった。半角嫌いなので全角に置き換えて書くと、以下のように表示されていた。
トウキョウク゛ツリュウツウセンター
どちらかといえば「東京/靴流通センター」という分割が成り立つものだと思っていたが、「東京靴/流通センター」という分割が正しいらしい。
Googleで検索すると「東京靴流通センター」「とうきょうぐつ」では0件、「東京靴流通センター」「とうきょうくつ」では15件。はてなダイアリーキーワードのルビは「とうきょうくつ」であるが、チヨダのサイトでは読みが表示されていないので、真相は不明。

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