流れる中一日記-押忍-第三章

きれた

仕事と体調が落ち着いたと感じられたので、先週火曜日、2ヵ月半ぶりに道場に行った。腹筋がすぐに使い物にならなくなったことは予想通りだったが、それ以外は、思ったより体が動いた(とはいってもやられっぱなしなのは従前通りだが)。
水曜日は朝から腹筋に力が入らず、また、スパーリングで極められた首と手首を中心に痛みがあったが、なんとか運動に復帰できたことが嬉しく、大して気にならなかった。
木曜日も、腹筋はまだ回復していなかったが、道場に行き、無事練習を終えた。今回は首を極められなかったので、金曜朝は腹筋に力が入らないことをのぞけばほとんど痛みがなかった。腹筋の具合も水曜朝に比べるとずいぶん良くなっていて、これはなかなか調子が良くなる前兆かもしれんと思った。
朝はわけあってバイクを少々押して移動する必要があるのだが、水曜朝は体の痛みでこの作業が辛かったのに対し、金曜朝は比較的ストレスなく動かすことができた。
水面下と地上の往復は主に階段を使う。筋肉痛がひどいとこの行程が辛いのだが、朝も、昼飯時に地上に出るときも、特に問題はなかった。
しかし、午後の業務を進めているうちに、全身に違和感が生じてきた。体が重いのである。といっても週刊の頭痛を伴った不調ではない。用があって階段を上ると、大腿部が痛む。昼までは問題なかったのに。これが「筋肉痛が中一日空けてくる」というやつか。
中一といえば、元号が昭和から平成に変わり、消費税が導入された年。小学校の俺様全盛期を過ぎた直後で、ゆがんだストイシズムを志したりして周囲とのコミュニケイションに支障が出始めたころだ。とはいってもこのころ一緒に遊び始めた連中とはいまでも交流があるようなそうでもないような。失踪してしまった輩もいるので残っているのは数名程度か。ちなみに失踪した輩は最近世間にその名をとどろかせた高等専門学校の隣の高等専門学校に在籍していたが関係ない。
週末は流し素麺。機械式の流し素麺は過去経験があるようなないような。30歳から40歳くらいのおっさんとうちの嫁(あえて「お○さん」は使わない)が3LDKに集合し、素麺食ってテトリスマリオカートの対戦をした。
明けて月曜日は水面下がらみで大きな問題が発生した。私は半分くらいの当事者で、この問題にまつわるさまざまなやりとりの矢面に立つことは免れたが、矢面に立たされた人たち(俺様に言わせれば水面下の人たちは皆被害者だが)の様子が苦しく、通常の状態でも化学的によろしくない水面下の空気が雰囲気的にもよろしくない様子だ。
この問題から逃げたわけではないのだが、火曜日は夏休みを消化し、ジムニーの名義を嫁父に変更した。嫁父の名前には「力」という漢字が使われているが、車検証の文字がどうにも「カ」に見えた。
水曜日、木曜日も水面下の様子は芳しくなかった。それでも木曜日は業務を終えたあとで道場に行って体を動かし、心身の疲労は心地よい種類のものになった。
道場と自宅の往復はバイクだ。深夜に東京都心を抜ける片道24kmは、特にくそったれタクシーのぶっ殺したくなるような運転と、テールランプを中心に灯火類や消音器にも著しい整備不良が見られる、周りに迷惑をかけないうちにどこかで消滅してほしいバイクどもが目立って腹立たしい。あまつさえ窓から煙草の吸殻を捨てる個人タクシーと信号待ちで並んでぶち殴りそうになる自分を抑えたり、音だけ速い車両の前に出るのに忙しかったりして、だんだん心が休まらなくなってきた。
それでも、多摩川を渡る前後からは、くそったれ車両どもを寄せ付けない走りを安全にできる区間になる。川を渡って側道に出て右折。自宅までは2km足らずの距離だ。信号待ちで車の前に出るが、この時間帯にこの道路を走るときは徒な加速はしない。車間をとるために速めに制限速度いっぱいいっぱいいっぱいに加速し、あとはその速度を保持する。
右折後、自宅までの道のりも半ばを過ぎたあたりに、いつも、油断していると赤に変わってしまう信号がある。今日も例外ではなく、やや手前から、歩行者用信号が赤に変わるのが見えた。このままのペースでは自動車用信号も赤になってしまうと、アクセルを開けた。
左足元のあたりでぱちんと音がして、何かが、車体と足の間をすり抜けて後方にはじけとんだような気がした。最近、バイクの整備状況で気になっていた箇所、ドライブチェーンが切れたのだと直感した。
幸い、信号が変わった直後の加速が奏効して、後続車はいない。深夜で周囲に歩行者もおらず、人的被害はない。減速して路肩に寄せる。チェーンは、スイングアームに無数の擦り傷を負わせながらしかし、リヤスプロケットに身をあずけ、車体のそのほかの部分には悪影響を与えていない様子だった。よく知らんけど新車のときについていたチェーンなのでかしめた箇所が壊れたというわけではないと思うが、絵柄としてはまさにかしめた部分がはじけ飛んでいた。
昨年バイク(http://d.hatena.ne.jp/zushonos/20050508)も車(http://d.hatena.ne.jp/zushonos/20050507)も押していたので、1km足らずのこの平坦な道でしかも筋肉痛は一日後に来る体の俺様にとって、今回の押しは大した脅威ではなかった。あまつさえ、この押しの最中に大きな発見があった。要交換時期のチェーンが着いた状態よりも、まったくチェーンが装着されていない方が押し歩きが軽いのだ。まあ余計な抵抗がないのだから当然じゃけどね。
それにしても、チェーンの張りは素人仕事ながら適当(適切)だったと思うし、オイルがまったく足りなかったわけでもないのに、切れるとは恐ろしい。たしかに2万km走ってそろそろ交換したいとは思っていたのだが。ちょっと前にもてはやされたキレルコドモもこんな感じで切れるんじゃろか。
今年の目標は「謝らないで済むようにする」「心安らかに過ごす」にしよう。あと4ヶ月もあるのでなんとか。

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