フェネルバフチェ

仙台にて

先日、借り物のTDM900で、自宅から仙台まで走る機会に恵まれた。TDM850に乗っていたのは気づけばもう7年も前のことで、以後一度借りて運転したことがあったが、900は初めてだ。7年前は毎日乗っていたので、おそらくほとんどライディングポジションの変わらない900に慣れるのにそう時間はかからなかった。850には無かったABS付きの車両で、これを作動させるのがちょっと楽しかったりもした。
四輪の免許取りたての嫁が、ジムニーを運転して、一緒に仙台に向かった。19時に仙台で待ち合わせがあったのだが、昼の夕立(変な書き方ね)をやり過ごしたりしていたら出発が14時を過ぎてしまった。弱い雨は残ったし、東北は雨の予報だったので、私はかっぱを着込み、ブーツカバーまで着用した。荷物はやたら多いが本人は軽装でジムニーに乗り込む嫁が恨めしい。
二輪ではさんざん東北方面に行っている嫁は、四輪で行くのが初めてだからというよくわからん理由で、外環道までは一緒に行けという(首都高速はもってのほかだそうだ)。もっと早く出発していたならともかく、まったく贅沢な要求であるが、出発時すでに19時の待ち合わせは間に合いそうになかったので、慌てず騒がず行くことにした。
国道246号に出たところでさっそく渋滞。当方すり抜け上等のため、環八に出たところで合流することにして先行。雨が止んだので、脱ぐのに時間がかかるかっぱのズボンとブーツカバーは着用ママにして、かっぱの上着は脱いだ。GS併設の休憩所で茶を買って飲んだりしていたら、10分ほどして、嫁のジムニーが通り過ぎた。
すぐに追いかけて、5分ほどジムニーの後ろを着いて走っていたが、すさまじい渋滞になってきたのでこんどは谷原の交差点で合流することにして先行。適当に前に出ながら、谷原に到着。暑いのでコンビニエンスストアで飲み物を買ったりして待つ。しかしいつジムニーがやってくるかわからないので、目立ちそうなところにバイクを止め、自分もそのそばで待つ。弱いながらも日がさして暑い。しかし、かっぱを脱ぐと後が面倒なので脱がないまま待つ。10分。20分。まだ来ないのか。見逃してはいないだろうか。30分。来ない。運転中に電話するやつを見かけると気違い扱いする我が家にあって、電話をかけても出る可能性は低いが、何かの理由で停止中なら出るかもしれんと思って電話。出ない。40分経過。来た。
片や四輪運転初心者、片や慣れ親しんだようなバイクにすり抜け上等の運転手というハンディキャップはあるが、それにしても20kmもないような区間で40分差がつくとは恐ろしい。四輪のやつらは全員二輪に乗り換えろ。あ、このときのうちの嫁もか。
外環までは一緒に走って、そこから私は一番速い車についていく走法に切り替える。一番速い車が速度を守ってさえいれば、私も速度違反をしなくてすむという画期的な走法だ。すぐにジムニーは見えなくなった。
東北道に入ってしばらく走行車線を走っていると、追い越し車線を5割増しくらいの速さで走っていくベンツがいたのでついていく。ときどき従来比10割増しくらいになったりしつつ、宇都宮までついていくと、ベンツは高速を降りていった。まだ雨は降り出さない。これはひょっとして天気がもつかもしれん、もし天気がもったら19時に間に合うかもしれんと思い始めた。
しばらく走行車線を走っていると、さっきと違うベンツが追い抜いていったので後につく。おおむね従来比5割増し。ガソリンが心配なので那須高原SAで給油。あんな走り方をしたのに18km/Lくらい走っている。なんと低燃費。余談だが、低燃費と高燃費は意識していないと間違って使ってしまう。「好」燃費ならまあ低燃費と同じ意味なんじゃろうけどね。余談の余談だが大縮尺と小縮尺もよく間違っていた。使い慣れない人へのまめちしき:分母の大小の逆がすなわち大小です。これではますますわからんね。とにかくベンツにはこの燃費は出せんじゃろ。あでももし4人乗りで5km/L走ったら人数割りの燃費で負けるなあ。天気が怪しいのでかっぱの上着を着る。
その後また別のベンツについていく。そいつがICで降りるとまた別のベンツという具合に、この日は5台くらいの速い車についていったが、すべてベンツだった。大半が追い越し車線を走り続けるくそ下品な運転だったのが印象的。その後ろについて走るバイクも傍目には下品に映ったことは想像に難くない。が、私は適当に走行車線に戻りましたよ。最後のベンツの途中で大雨が降り出し、少しがんばったがついていけなくなった。19時に間に合わせるのも断念。結局40分遅れで集合場所に着いた。ちなみにジムニーはさらに1時間遅れで到着。400km弱の道のりで1時間の差は、下道20kmで40分の差に比べるとたいしたことがないと思った。
TDM900はあまりにも快適で、燃費もよく、(おそらく)思いつきで一気に1000km走って翌日やはり一気に1000km来た道を帰るアキラの気持ち(http://d.hatena.ne.jp/zushonos/20060701#p1)もわかるような気がしたが、正月はやっぱり寒くて嫌だと思う。
時間に余裕を持って、落ち着いて走りたいものだ。