苦い

朝陽がまぶしい昨今である。

今年は苦い仕事が多い。ジャックさん、ジミー亡き後のひゅんこばおよびオサ・DA・ビンラディンあたりはそれでも予測できた。しかし、間髪入れずトニイが襲ってくるとは思わなかった。後半のやつらは物故ロスアンゼルス

そんな中、昼休みの水面下で、珍しく外出せず仕事を続けていたら、携帯電話に着信があった。例の文房具屋からの電話だった。仕事が苦い中で、睡眠時間を削って書いた嫌味メイルが効果を発揮したらしく、先日電話で対応してくれた人が電話をかけてきた。曰く「(先方が)書きとめた住所が間違いで、運送会社から返送された」「電話番号は発送が終わった時点で『個人情報保護の観点から廃棄した』」「間違った住所を頼りに自ら足を運び、近所(隣のアパートだった)までは来た」などなど。とにかくさっさと替え芯を送ってくれと言って電話を切った。もしかすると水面下故の電波状況から、自動的に切れてしまったかもしれない。本当は電話の人ではなくてレジの人が謝るべきだと後で思った。

郵送してくれればよいものを、宅配便で送ってよこしたため、不在→運送会社に連絡→土曜日に再配送となった。結局当初の予告から丸一週間遅れだった。

苦い仕事は続いているが、土日は休めと言われたので休んだ(土曜日になってしばらくは水面下にいたが)。木曜日運動していなかったので、土曜日に運動しに行き、帰りに水面下に寄ったら、HGJTのちょっと良い話を聞いた。その刺激が強すぎたのか、夜から熱っぽくなり、日曜日は一日頭痛・発熱・鼻水・咳(連発して最後に吐き気を伴ういまではおなじみのやつ)。月曜日になるとますますひどくなった。たまらず水面下行きを回避。それでも元気になったら行くつもりではいたが、1ヶ月半前の弱り方よりもひどい予感があった。

行きつけの内科にかかることにしたが、月曜日の午前中だとじいちゃん医者で、たぶん点滴を打たれて終了だろう。苦しいが、15時以降の若い医者の時間まで待つ。自宅の寝床で熱にうかされながら夢うつつ状態でいたら、15時を過ぎていた。電車で行くとやや遠い(つうより自宅から駅まで歩くのが大変)なので、車を出した。調子が悪く普段より注意散漫な状態で運転するのは自分としては不真面目な運転でよろしくないが、このままいると多分死ぬ。生きるために人を死なせないよう注意しながら運転し、病院に向かった。

病院は某駅から近く、商業地で、専用駐車場がない。そのため近所のダイエーの駐車場をよく利用する。この駐車場は2000円以上買い物すれば2時間まで無料(そうでない場合は1時間400円だったか)だ。いつものようにここに駐車して病院に行くと、順番待ち患者が10人以上いた。最近は待ち時間が長いとき外出して時間をつぶす患者向けにPHSを貸し出してくれて、それで連絡をくれる仕組みになっているが、外出する元気もあまりない。それでも病人の間で長い間待つよりはましかと思って、いったん外出して本屋に行った。立ち読みは得意だが、頭痛や鼻水で集中力が続かない。30分も経たないうちに病人の中に戻ってしまった。

1時間半くらい待って診察は2分。「前回と同じ症状(風邪)だね。連続しているが心当たりはありますか」と訊かれたので、苦い仕事が続いているとこたえた。「なら仕方がないね。もし心当たりがないようだったら血液検査でもしたほうが良いかと思ったが今回は薬を出しておきます」という結論。今回初めて気づいたが、この医者の語尾は「ねえ」と延ばさず「ね」で止まる。血液検査をしても無駄だろう。風邪の谷間というか前回の名残たっぷりの体調で臨んだ健康診断の結果が全く問題なしだったのだ。

内科が入っているビルの1Fの薬局に行き、薬を出してもらう。この薬屋はなぜか毎回健康ドリンクを一本おまけにつけてくれる。当初は「試供品」と書かれていたが、今回は試供品の文字がなかった。不思議な商売だ。なんにせよ、私も嫁も健康ドリンクは好みでないので自宅在庫が増える。

そしてダイエーに戻ったときはすでに駐車してから2時間が経過しようとしていた。急いで2000円分の買い物をしようと、本屋やCD屋を回るが、特に欲しいものが見当たらない。頭痛がひどい。ならばと食料品売り場に向かうが、2000円分の買い物がなかなか難しい。食料品売り場で単価が高いものといえば、肉、弁当、酒などが思いつくが、それぞれ冷蔵庫の隙間がない、食欲がない、酒は飲まないという理由から、購入対象から外れる。前回は飲み物や菓子(チョコレートの単価が高い)、パンなどを大量に購入し、なんとか2000円を超えた。

今回はもう面倒になって、果物や菓子などから、家で消費できて、普段手を出さない価格のものを狙うことにした。今回の購入品は以下のとおり。有機栽培バナナ300円、向き甘栗500円、飲むヨーグルト500円、シャウエッセン600円、ハーシーズ(と白石朗は訳していたような)のココア150円、プリングルズ200円。わりとすんなり達成できた。普段買うものと比べると単価は2倍くらいか。火曜日も寝込んだ。

水曜日にやっとそこそこ動けるようになって水面下に行った。気圧の変化に対応しきれていないせいか、耳の聞こえが悪い。

ボールペンの替え芯はようやくデビューである。購入行動から2週間かかった。鳥好きが高じた鳥インフルエンザ疑惑を自ら振りまいた。例の鳥類研究所は欠員募集せんのじゃろうか。好きなだけなら並みの人よりは好きなんじゃが。ともかく、どちらかというとトニイの影響(influence)=トニインフルエンザであったと思う。

苦いことが増えて、自分が弱り続けているところをみると、これらの苦味は良薬ではなさそうだ。