重なる

ああ面倒だ。

ある偉業を称える催しの企画運営に携わった。関連業務で2週連続休日を費やした出張になった。
企画には他部署からの援助をあまた取り付けて、やや広がりすぎの気配もあったが、にぎやかになると予想された。
2度、会場の下見に出かけた。最初は純粋に下見で、次は別の催しによる出張のついでに出かけた。まずまずの会場と思われた。
社外への協力も呼びかけた。繁忙期であることを理由に断られることもあったが、快諾をもらうこともできた。
なかなかに順調であると思われた。


一週間前、この催しへの来場を翻意する輩が現れて一悶着あった。
引き続いて他部署とのやりとりに暗雲が立ち込めた。直前というべき時期になり、未決定の要素が多く、意思の疎通がうまくいっていないことが露見したが、他部署側の尽力により打開策が見出された。
別の部署の協力について、機材の運搬も込みの協力と期待していたところ、運搬はこちら持ちとわかって肩透かしを食らった。

催しの日は晴れの特異日だったようだが、数日前から天気予報が悪化し、ついに当日の降水確率が80%を超えた。それでも、前日午前中に雨天決行と告知し、前日中に準備するため出かけたところ、1日後に会場を直撃するという台風が発生した。
催しの一週間前の出張で、催しに関わる人物との最終打ち合わせを行ったが、催し当日の来場時刻は打ち合わせよりもかなり遅かった。
そんな条件下の催しにも大勢が集まってくれて大変ありがたかったが、会場はひどい有様になった。雨風水泥その他もろもろ。酔客が会場選定をなじる。ごみを散らかしたまま移動してしまう。一週間前に翻意した輩はこれを予見していたのではないか。
翌日は台風一過で快晴。しかし足元は回復が遅い。借りた機材等の清掃が一苦労。
この催しの主役とは、いったん解散して先行してもらい、再度合流することになっていた。いそいで片付け・移動する。先導を依頼した同僚が若干ミスコースしたが、これ自体は選択肢としてありうるものであった。しかし、折り悪くミスコースした方向でデモ行進が行われており、交通規制に直撃。
それでも急いで合流前の荷物保管場所に移動し、地上の社有車から自家用バイクに乗り換える。主役との再合流予定時刻が迫っていたので、同僚に荷おろしを頼んであわてて向かったが、急いだ甲斐なく1時間近く待った。
主役ともども荷物保管場所に移動し、もろもろの作業を行う。主役から車両貸し出し期間の延長を求められる。自分の一存では決められないのでまたもや作業が増えた。
社有車はあらかた荷おろしが終わって同僚は帰宅済みだったが、荷おろし具合が絶妙に半端で、たとえばプロジェクターのスクリーンは所定の場所まで返却してあったが、プロジェクター本体は社内に残ったままといった具合だった。
社有車は泥だらけになっていたので給油ついでに洗車してこようと近隣を探すが、社有のクレジットカードが使えるガソリンスタンドが一向に見当たらない。見つかったと思えば閉店後。10kmほど走ってようやく給油。洗車は現金清算のみと言われ意気消沈したがともかく洗車。

さまざまに助けてもらってとてもありがたいのだが辛い。

ひとつひとつはたいしたことではないのだが、こうも重なると極めて面倒だ。

明日からはさらに後片付けだ。ああ面倒だ。