いま

zushonos2007-09-19

「冒険」以外も読みたくなったので、いろいろ検索して、結局ベアリング・グールド版を読みたくなり、図書館で借りるしかないという結論に達した。
高校生のころ、毎日1時間以上を過ごした故郷の図書館に、館内の蔵書をPCで検索する仕組みが導入されたときは大変便利に感じたものだが、いまはインターネットで図書館の検索できるご時世だ。
自宅近所の図書館には置いていなかったので、水面下近所の図書館を検索したら、最寄の図書館に東京図書版があることがわかった。しかも20時まで開館している。行くしかない。
この図書館は今回初めて訪れたので、一通り見て回る。そこで目に留まったのが、写真の貼り紙と↓

風との対話 手作り風車ガイド―楽しさの玉手箱 (サイエンス・シリーズ)

風との対話 手作り風車ガイド―楽しさの玉手箱 (サイエンス・シリーズ)

タイトルが素敵。定年退職後、自宅の庭の池に噴水を作ってしまったまさるさんの父上に、新たな趣味として検討していただきたいものだ。
内容は題名のとおりで、実際に風車を手作りするためのノウハウが書かれている。工作が難しそうだ。冒頭に、風車で得られるエネルギーについて、計算式などが書かれている。
物理や数学の授業は途中で理解するのを止めた私にとって、ここに書かれている内容は適当に読み流す対象であったが、この手の書物に特有の表現が目に付いた。まず、これは全編を通じていえるのだが、読点が「、」ではなく「,」である(ちなみに句点は「。」)。これはときどき目にする表現なのでまあよい。久しぶりに見て懐かしい苛立ちを感じた表現は12ページの

いまパワー係数(Cp)41.5%の風車を想定して,

という部分だ。(Cp)とかなんとかはそれほど気にならないのだが、「いま」とはいったいなにごとですかと思うのである。数学で何かを証明するときにも使ったような気がする。この「いま」は、時間を意味するのではなくて、話題を切り出すときの「さて」程度の意味じゃろう。少し前の若人なら「ていうか」っちゅうやつだ。ああ嫌だ嫌だ。
それでもなんだかわからないなりに面白くて一応最後まで読んでみたが、途中で「意外に」とあるべきところが「以外に」となっている箇所があり、あらまあと思った。
この本の出版社は「パワー社」である。素敵な社名だ。同社のサイエンス・シリーズには

ガス発電入門―手作り発電の楽しみ (サイエンス・シリーズ)

ガス発電入門―手作り発電の楽しみ (サイエンス・シリーズ)

というタイトルもあるようなので、まさるさん父上にはぜひこれも試していただきたい。
同時に
縦に書け!―横書きが日本人を壊している

縦に書け!―横書きが日本人を壊している

という、内容はどうやらちょっとあれっぽいが、題名は共感できる本を借りたが未読。著者は先日買った書道本の人ですね。「祖母」以来筆とってねえなあ。
ところで冒頭の写真の貼り紙が掲示される背景は何だったのだろう。C.A.ミルヴァートンの類か、あるいはヒュー・ブーンの類か、はたまた他の何かなのか。そういえば本来目的のベアリング・グールド版も3冊借りましたよ。