job of Jin Munakata

zushonos2007-09-01


徳島に上陸したあとは、高知で19時に待ち合わせ。たっぷり5時間ある。前日まで確実に雨が降るという天気予報だったが、当日になって好転、曇の予報である。船中で地図を眺めたり、web検索をしたりして計画を練った。
室戸を回ると200kmで、混雑状況次第だがたぶん5時間かからない(空いている時間帯なら室戸岬前後の国道55号は素敵な速さで流れている)。国道195号を中心に行くと170kmくらいか。しかし、この2ルートはどちらも何度も走っているので面白味に欠ける。
あまり走ったことがないルートを考えてみる。剣山中を行く国道438号→439号ならば150kmくらい。しかし、平均時速40km/hを確保するのさえ困難と予想され、そうすると走りっぱなしでも19時に間に合うかどうか。折衷案で、高速で美馬まで行ってそこから国道438号→439号というのも考えた。これなら19時には間に合うだろう。
もう一つの選択肢は、大豊ICまで行って、奥白髪温泉と早明浦ダムを経由、県道で高知市内に入るというものだ。これも150kmくらいのものだろうが、大半が高速なので、早めに温泉に着いてゆっくり浸かれるだろう。
どちらにしても最初は徳島道に乗ることになるので、天気など様子を見ながらどちらにするか決めることにした。
徳島道は暫定片側1車線の区間が大半だ。Versysは150(単位は伏す)くらいまではすぐに加速できて、なんだかメーター読みで170(単位は伏す)もわりと簡単に出たような気がするが、走りなれない道は何km/hで走るべきなのかよくわからない。注意されない程度に速く走りながら、2車線になったときに抜いていった車についていく。左手に見える山のいずれかが剣山だと思うのだが、ともかく山の上は黒雲に覆われている。山中は雨だ。剣山経由は止めだ。
大豊ICで降りて奥白髪温泉を目指す。奥白髪温泉を示す看板は見当たらないが、白髪山登山口を示す看板を頼りに林道を行く。途中ガードレールに小さく「奥白髪温泉」と書かれていたので間違っていないだろうと判断して先に進んだが、それがなければ相当不安を抱えながら漸進することになっただろう。
数件だけの集落や廃屋の前をいくつか通り過ぎる。細い電柱が並んでいるのでまだこの先に集落があるだろうと踏んで奥に入っていく。途中、左折すると舗装路が続くが、道なりに行くと橋を渡った先は路肩に廃バス(コースター)が止まった未舗装林道という分岐があった。

これは左の舗装路を進む。少し行くとどうやらここが最後だろうという集落にたどり着き、そこから先は未舗装路になっていた。温泉を見落としたと思って引き返そうとしていたら、ばあちゃんに声をかけられた。どこから来たのか、どこに行くのかと聞かれる。奥白髪温泉に行きたいと伝えると、2年ほど前に温泉のあるじが亡くなって廃業したという。場所はさきほどの橋の向こうの廃バスのさらに先だというので、跡地を見に行った。
廃バスを少し行った先に奥白髪温泉跡はあった。手前には(未舗装路の路肩に看板があるだけでどこがそうなのかよくわからんかったが)第二駐車場という表示もあり、建物も複数あった。「四国随一の泉質」と書かれた看板は色あせかけている。WEBで検索したところによると往時は源泉掛け流しの温泉だったそうで、それなりに賑わったのではなかろうか。渓流の方に下っていく階段があり、その先の小屋に湯船があったようだ。自動販売機は十六茶と二十一茶が並んでいる。

道の反対側にはボイラー施設跡が残る。四国には火山がなく、源泉の温度が高い温泉はほとんどないそうだ。それなりに人気はあったのだろうが、山中の未舗装路の先にある沸かしの温泉は相当な覚悟がないとやっていけないのだろう。
林道を引き返して早明浦ダム周辺を少し走る。ニュースでよく聞く名前だが考えてみると訪れたのは初めてだ。ダムはでかい。貯水量は少なめなのだろうか。キジバトがたくさん。
県道16号で峠を越えて高知に向かう。しばらく前を行っていたmarkIIはずいぶんがんばっていたが、こちらが気持ちの悪い追走ぶりを発揮したのでついに音を上げたのか道を譲ってくれた。トンネルを抜けて高知市に入ると雨がぱらついて、路面も濡れていた。コーナーで3回滑ったが、いろいろ原因を考えてみると、もしかしたら慣れない乗り物で左手に余計な力が入り、(普段乗っているバイクに比べて遊びが少なかった)半クラッチ気味になってしまい、妙な挙動になったのかもしれないと思った。燃費は22km/Lくらいだった。
高知駅で一年ぶりに会う人にバイクをあずけて打ち合わせ。いつも止まるホテルに泊まり、ひろめ市場でカツオ料理を食う。酒を飲まないので一人ではなかなか居酒屋に入る気がしないが、この手の屋台村風味のところはわりと好きだ。遅い時間に、閉鎖空間の居酒屋に小学生を含む家族連れがいると少々違和感があるが、ここだと自然に思える。高知は昼間から酒を飲み始めて夜中まで飲み続ける文化だと香川で聞かされたことがあって、その点に関しては馴染めそうにないが、高知は来るたびに良いところだと思える。
賑やかな人たちから少し離れたところで飯を食い、アーケードを歩いてこれまた一年ぶりに行く漫画喫茶で仕事のようなことをしたりしてホテルに戻る。
結局雨はトンネルを抜けて峠を下るまで少し降っただけだった。
翌朝は薄曇。喫茶店で朝飯。駅前から出る空港行きのバスに乗る予定だったが、少し時間に余裕があったので路面電車で御免まで行ってみることにした。路面電車は途中から国道195号沿いになる。事前に少し調べたとき、御免駅周辺からも空港行きのバスが出ていると勘違いして、あたりのバス停を見て回っていたのだが、バス停の時刻表にそれらしき記述が見当たらない。何箇所目かのバス停にいたおばちゃんに聞いてみると、空港行きのバスは駅周辺は通らず、一本南の国道55号のバイパス沿いに、高知駅前を出た空港行きのバスが停車するのだということだった。バスは外したが、駅周辺の素敵な商店街を歩いたのは収穫。

汗だくになりながら10分以上歩き、バイパスに移動。
やっとバスに乗り込み、空港に到着。昼飯食って飛行機に乗って機内では極めて良く寝て帰宅。自宅周辺が涼しくなっていてほっとした。