楽しいお別れ

zushonos2007-03-27


3月は水面下にとって期末である。4月からの新しい期では、組織変更が行われ、水面下も、地上を巻き込んで、そこそこ大きな動きがある。巻き込んだついでに地上に脱出できるものと思い込んでいたところ、2週間ほど前にそうでないと知らされたときは、今年もっともがっかりした瞬間であった。
期末を迎えるに当たって、水面下の打ち上げのような会が地上の社員食堂で行われた。私にとってはこの打ち上げはどうでもよくて、併催された、3月いっぱいで定年退職されるジャックさんの歓送会がメインエヴェントであった。
何度も書いているが、ジャックさんは業界の重鎮で、昨年退職した名人同様、会社を支えてきた人でもある。とても話し好きというか一方的にお話しされるのが好きで、名人以上に多くの人に慕われていた。おそらく社内でもっとも多くの人に慕われていたと思う。残される者たちによる寄せ書きは、色紙では収まるはずもなく、長尺の巻物に記された。
退職後も、距離は遠く離れてしまうが、とある形態で間接的に水面下にかかわる予定になっているせいか、あるいはお人柄のためか、ご本人も周囲も、それほど「これでおしまい」といった雰囲気にはなっていない。残される者は、いつもの長尺のお話しから解放され、それでいて関わりを絶たれるわけではないというのは実はちょうど良い距離感だと思っているのかもしれない。
ともあれ、この会にあっては、いろいろな人からジャックさんを送ることばが贈られ、ジャックさんからも答辞があった。いずれも発言者の人柄がよく現れた、素敵なことばであった。
名人のときに比べると、しんみりという感じはなかったが、いつもどちらかというと斜に構えたような発言が多い人が「今日の会はなんだか楽しかったなあ」と感想を漏らしていたのが印象的。
一つの時代を作り、惜しまれながら、一方ある種歓迎されながら、次の一歩を踏み出して水面下を後にするジャックさん。
個人的には文房具を初めとした、ジャックさんならではのもろもろが見られなくなるのがとてもさびしいけれども、今までありがとうございましたというよりは、その遺産を活用させていただくということから、そして、きっとまた直接やり取りすることがあるだろうという期待から、今後ともよろしくお願いいたします。