やあ、おはよう。いい天気でございますな

zushonos2006-10-17


「やあ、おはよう。いい天気でございますな」「ほんとうにいい天気です。天気がいいと、気持ちがせいせいします。」というのは小川未明の「野ばら」の一節で、やはり光村図書5年かざぐるまか何かに収録されていた。出だしは『大きな国と、それよりはすこし小さな国とが隣り合っていました。』というもので、当時、勉強全般が苦手な級友が、国語の授業に於いてこれの音読を指示された際に『おおきなこくと、それよりはすこしちいさなこくとがとなりあっていました』と読み、学級全体のどよめきを誘ったことを思い出した。予想できない読み方だったので、最初の「こく」の時点では誰も気づかなかったものだ。「この話の主題を書きなさい」という問いに対する模範解答は「戦争の悲惨さがどうたら」というものであったと思うが、静かに戦争のつまらなさを語ったイカす話である。今読み返すとまた良い。http://www5f.biglobe.ne.jp/~fumeisou/douwa/douwa3/douwa3.htm さっき20年ぶりくらいに音読してしもうた。
そして稲刈り当日はこの一節を思い出すような天気であった。前日の残り物をやっつけるところから一日が始まる。鍋は食う。きのこご飯はおにぎりにする。たまごを茹でてサンドイッチを作る。たまごときのこでどうにかする。牛乳を飲む。もろこし輪太郎を分配する。
棚田近くの集合場所までは10分の距離のこのコテージにあって、集合時刻の9時に間に合わせるにはつまり8時50分までに出発すれば間に合ったのだが、9時にコテージを出たので、10分強遅刻。まさるさんはすでに到着していた。ジャージと長靴主体の稲刈り装備に着替える。
現地のプロフェッショナルが運転する軽トラックで棚田に移動。鎌を配布してもらい、簡単なレクチュアを受けて稲刈り開始。2時間しか眠っていないまさるさん以外は、たっぷり食ってそこそこ眠ったので、わりと元気な有様を披露し、出だしは好調。初冠雪が発表された美しい富士山を眺めながら刈って刈って刈りまくる。若者4人とちょっと若ぶるのに無理が出てきた2名がいると早い。ちなみに若ぶるのに無理が出てきたもう一名であるところのわたくしはまた写真撮ってばかり。被写体であるところの姐さんが多数いらっしゃって、また富士山が美しいのが撮影専念の理由の一つであったが、もう一つの理由は、昨年の稲刈り体験から、刈取り後の束ねて干す作業が辛いことがわかっていたので、体力温存の狙いもあったのだ。
案の定、刈り終わったところで皆様お疲れ気味。かえるやかまきりも多発する中、束ねる作業からわたくしも参加割合を増やし、13時前に無事終了。
軽トラックで集合場所まで戻り、朝作ったおにぎりやサンドイッチを食いながらだらだら。翌日も休みだったし、天気が良いし、コテージもなかなか良かったので、こんど機会があれば後泊もしたいものだ。ともかく帰りにほったらかし温泉に入って帰ることに決定。R140でひたすら移動。大蔵経寺山トンネルの立派さに驚く。
ほったらかし温泉は相変わらずの盛況。2000円札が使える券売機も相変わらず。大人数なので広い方に入ったが、従前よりも塩素臭く感じた。もっともここは甲府盆地と富士山が見える露天風呂であることがわたくしにとりましては最重要なので、温水プールでもかまわんよ。
フルーツ公園でお土産買って解散。夜景を待ってみるのもよかったが、その後の予定等を鑑みて、日没を待たずに中央道に乗った。中央道は渋滞のち渋滞。当初予定のWILD-1はあきらめ、嫁実家経由で帰宅。
木賊に続き、好天に恵まれた2日間でありましたよ。水面下に於いて天気を予約した甲斐があった。同じような面子で出かける廻り目平も良い天気になることを祈り、また天気を予約する所存です。


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