ぼくは今

zushonos2006-10-16


ぼくは今、伊奈ヶ湖畔に来ている。というのはたぶん光村図書新しい国語5年かざぐるまか何かに載っていた「日記の書き方」とかなんとかの「ぼくは今、山形蔵王に来ている」という出だしの借用だ。
伊奈ヶ湖は南アルプス市の山手にある湖で、周辺には野外活動指向のさまざまな施設がある。その中のウッドビレッジというコテージを借りて宿泊し、翌日、隣の増穂町で行われる稲刈りに備える集いが催された。
増穂町での稲刈りは、町が募集した棚田オーナー制度にかかわるもので、この件にかかわる我々一行の主催は水面下の同僚・まさるさんであるが、当人は、宿泊については親戚にかかわる行事のため回避し、稲刈り当日早朝に現地入りを目指すという。
先日の木賊と同様に、2日前くらいまで悪天候の予報であったが、直前で快晴の予報に変わっていた。出発時はしかしやや曇天。
午前7時過ぎに一家総出で自宅を出て、近所の駅で、なんだか嫁と仲が良い姐さんを拾う。中央道は、事前の混雑予想で、八王子までの区間で通常より1時間余計にかかる見込みであったから、東名で御殿場まで行き、途中で晩飯の材料にするきのこを買出しながら、伊奈ヶ湖を目指す計画であった。
しかし、出発時に聞いたラジオによれば、東名町田付近の事故で渋滞が発生しているという。この渋滞を避けるため、最寄の東名川崎ICは素通りし、横浜青葉まで行ってみる。青葉の手前の電光掲示板(っつうのかねあれは。しかし改めて見てみるとこのことばは古い字面ですな)によれば、青葉町田間は事故渋滞の6km通過に35分かかるという。それなら下道で行っても大差ないだろうと、引き続きR246を行く。この時点で8時を少し過ぎたくらい。
東名町田ICへの分岐である、R16との立体交差入り口に着いたのは8時45分くらい。9時までに料金所を追加すれば、ETCによる通勤割引が得られる。が、遅々として進まない。料金所渋滞にしてもひどすぎる。これなら本線で渋滞してもかまわんから青葉から乗るべきだった。痺れを切らしてわき道に入ってみるが、少々迷って山間のホテル街を往復したりして、細い路地からICが見えるところまで出たときにはすでに9時をまわって、割引獲得失敗。その後もとにかく進まない。隣の列では頭のおかしな男女連れの女の方が助手席の窓を開けてしゃぼん玉を飛ばし続ける。料金所の向こうの崖上にはヨーロッパスタイルを標榜するホテルが建つ。料金所通過。なにやら放送が聞こえてきたので耳を澄ますと、本線の混雑を抑えるために流入規制をしているという。そうしましたら事前に告知していただきたいことでありますよ。しかもこの規制は、パトカー+警官が、名古屋方面の入り口に立ち、本当に一台も通さないでいて、一定時間経過だか、別の場所からの指令があったりすると、本線に、ある程度の台数を一気に流入させるというもの。ちんたらで良いから常に一台ずつ入れておいたほうが効率がよさそうに感じた。
御殿場までちんたら。555に異名がかぶさっていた。高速を降りた頃には雲はそこそ多いものの青い空の面積がかなり大きくなってきた。R138を北へ。道の駅富士吉田で休憩、道の駅なるさわで夕食用きのこ購入。本栖湖畔の店でワカサギとほうとう食って湖畔に下りてたぶんアイガモの写真撮りまくり。
移動が趣味の私といたしましてはおそらく居住地近くの数少ない走り残した国道300号を西に行き、途中から県道を北上。四尾連湖(しびれこ)に立ち寄るが、鳥の姿は見えないし、駐車料金を取られそうなのでそのまま退散。
増穂町の棚田に向かう。予想通り、他の田はほとんど稲刈りが終わっていて、我々の田および隣の田が最後に残されているという状態だった。まだ雲は多いが富士山がはっきり見える。山頂は雲の中だが、写真を撮っていたら一瞬冠雪した山頂が見えた。
町道だか林道だかを北上して伊奈ヶ湖畔に到着したのは15時過ぎ。コテージは予想以上に立派だった。別便で3名が来ることになっているが、14時に立川を出る予定なので、到着まではしばらく時間がかかる。持参したパソコンに入っている写真をひたすらスライドショーで流しながら茶を飲んで待つ。
17時頃別便到着。木賊キャンプにも参加してもらった兄さんと、水面下でよく顔を合わせる/合わせていた姐さん2名だ。茶を飲んで、持参した食材と、コテージに備え付けられた食器・調理器具を確認してから晩飯の買出しに出発。
県道をまっすぐ下って南アルプス市街のスーパーで買出し。晩飯はきのこ鍋ときのこご飯と姐さんの一人が持ってきてくれた酢橘と秋刀魚。すでに日没していて、十六夜の月が美しい。気づくとすっかり晴れている。帰り道の途中で夜景撮影。
さすがに姐さんたちが4名もいると晩飯の準備は早い。おっさん(わたくし)と兄さんはやや手持ち無沙汰だが、私は写真を撮り、兄さんはおろし金がないという状況下で大根おろしを作るために奮闘(おろし金がないときに大根おろしを作りたいときは、ステンレスのざるを裏返し、底の部分を使えばよいということを発見した。)し、いちおう全員が働いていた。コンロの都合でまず鍋を作って食べる。うまい。時間差できのこご飯ができる。うまい。もう満腹という時点で鍋もご飯もたっぷり残っていたが、秋刀魚があることに気づいて大変。今回泊まったコテージには魚焼きグリルが着いていなかったのでフライパンで焼く。秋刀魚も大根おろし酢橘もうまい。相当満腹状態。
コテージのすぐ近くを通る櫛形山林道に展望台があって、そこからの夜景がすばらしいてなことがパンフレットに書いてあったので、満腹を押して林道を走り、展望台へ。買出し途中の夜景もなかなかであったが、こちらはさらにすばらしいものでしたよ。ちょっと月が高く上りすぎていたのが心残りだったが、それはそれでよかったかもしれん。写真撮りまくり。
コテージに戻るとでまず嫁が寝る。その後も一人ずつ布団に入っていく。私もこの文章の出だしを書いたところで寝る。続きを書いたのは1週間以上後だ。

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