水溜

水溜とはおそらく無関係のオナガ(じぇ

日中、家の外でがたがたと音がした。なにごとかと思って出てみると、20cm四方に血痕がひろがり、また、灰色の羽毛が舞っていた。
当事者は見当たらなかったが、おそらくねこがとりを流血させたのだろう。水を撒いて血を流した。

夜中にバイクで外出した。照明もまばらな高速道路の側道を行く。アスファルト舗装の1.5車線だが、この時間は交通量もほとんどない。

しばらく進むと、はるか前方で、バイクのヘッドライトを反射して、どうやらねこのふたつの目が光った。そう珍しいことではない。ちょうど進路上だが、近付いていくと逃げてしまうだろう。
ところがどんどん近付いてもまったく逃げる気配がない。やや戸惑いながら、そんなところにいるとぶつかりますよ、いけませんよと声に出して近付く。近付くと半身になって様子を見るねこは多いが、こちらを向いたまままったく動かない。

もう少し近付くと、問題のねこは縞模様であること、またそのねこの手前に、横になって起きる気配のない、黒いねこがいるのが見えてきた。暗くてよくわからないが、黒いねこの回りはちょっとした水溜のようになっている。
そうか、連れが眠ってしまったので、置いたまま帰ることもできず、バイクが近付いても動こうとしなかったのか。

私はどうすることもできず、ねこを避けて通過した。

翌朝、同じところを通った。ねこは2匹ともその場を去っていた。2匹がいたところには水が撒かれたようで、アスファルトが濡れていた。