きのう

zushonos2011-07-11

7時前に目がさめて、天気もよくて、しかも早朝は風があってちょっと涼しくて、栗原川林道と散髪目的で群馬県に向かうことにしたのですよ。今週は日曜日のほかに月曜日も水曜日も休みなので、観光地然としていない場所とはいえ、往復の行程も含め、平日のほうが人が少ないだろうとは思ったんだが、林道行くと疲れるから、翌日休みの方が安全よねと思ったのですよ。
交通手段はXTですよ。いつものようにαとDP2をトップケースに入れ、TX5を首からさげて出発ですよ。キャリアのボルトは相変わらず右前がダート走ると即緩み始める有様で、ビニール入りのロックナットをつけねばなるまいと思っていたので、太田薮塚ICで降りて、近くのビバホームに行ってナットを買って取り付けるというのが、出発後の最初の目的地および行動計画ですよ。
環八も関越も北関東道も何事もなく順調で、ちょっと珍しかったのはいちばん速く走る車がチットロエンだったこと。前の車どけどけ性は控えめで、左から平気で抜く性が旺盛。Shine、じゃなかった、テレポーテーション!どっか行け!ですよ。
8時半過ぎに太田薮塚ICに着いて、ビバホームの場所を確認し、近所のすき家に行って牛丼頼むのに10分待ち、出てくるのに10分待ち。おかげさまでビバホームの開店時間9時半が速やかに訪れた気持ちでしたのよ。ロックナット買ったんだがボルトの長さが不足気味で、またもや一抹の不安を抱えたまま先に進みますよ。セヴンエレヴンで500mlのペットボトル麦茶を購入しましたよ。
大間々の街中を通り抜けると私の頭の中ではOH!MAMA。古い商店街の看板が素敵ですのよ。給油しようかどうか迷ったが、林道全部走ってもあと100kmくらいのはずで、ガソリンは150kmは走れそうなだけ残っている計算だったので、見送りましたのよ。
草木湖の南から林道に行こうと思っていたんだが通りすぎてトンネル抜けて栃木県に行ってしまって引き返して舗装林道ほそぼそと走りましたのよ。これが最初の時間の無駄で、あまり楽しい道でもなかったのよ。

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そんでいよいよ未舗装林道に入ったんだが、これはまだ栗原川林道ではなくて、たぶん小中新地林道で、こぶし大の玉砂利だらけで主に下りが続いてのっけからびびりましたのよ。事前の調べで、栗原川林道は未舗装路が40kmくらい続くと見聞きしていたので、やべえこれが40km続いたら辛いだけじゃねえのと思いつつ、ランドクルーザーが道を譲ってくれてしまったのでちょっと困りながら追い抜いたりして、たぶん新地林道に分岐して、こっちの路面はフラットダートだったので一安心しましたのよ。このころから上空の天気は少々曇ってきましたのよ。
新地林道はそこそこ気持よく走りぬけ、栗原川林道に入りましたのよ。こっちもフラットダートで快適で、ちょっとした分岐を経由したりしつつ順調に走り続けて、しかし途中でふと思い出して、GPSの軌跡が地図の内容と違うんじゃねえかと疑い始めたのが二つ目の時間の無駄の始まりよ。さっきの分岐が正解なんじゃねえかと思ったのよ。そんで引き返したのよ。
分岐のところに古ぼけた「落石のため通行止め」風味の標識っぽいあれが出ていたんだが、こういうときは行けるところまで行くことになっていて、どんどん進むのよ。そしたら途中2箇所、1台ずつ、四輪が路肩に駐車してあって、2kmくらい登ったらちょっとした広場になっていて、そこにジムニーが3台止まっていて。ジムニーのところには兄さんが2人いて、オーナーズクラブか何かかと思わされて。
広場から左手にさらに林道が続いているんだが、いかにも崩落現場をちょっと片付けてまた少し崩落してというガレっぷり。最初のこぶし大玉砂利林道を超えたね。でも突入。結果、途中でふらふらと転倒よ。まずは重いトップケースを外して、起こそうとするわけよ。しかし足場が悪いのも手伝って、車体が起こせないわけよ。足を車体の下に入れて、膝で持ち上げようとするんだが、前後輪ともにグリップせず、ずるずると動くのさ。
仕方なく、下の広場で休憩していたジムニーの兄さんに助力を請う。兄さんは快く手伝ってくれて、命拾い。ここで引き返すという選択もあったが、どうやらこのガレ場を抜けると平らになっていたので、さらに進むのが、栗原川林道だと思い込んでしまっていたってわけよ。兄さんたちは「この先通り抜けられるんですか」と俺様に尋ねてきたので、ここでよく地図を見ておくべきだったなあと思ったのは2時間後くらいのお話よ。果たして、ガレ場を抜けた先500mくらいで、こんどは歩行して越えるのもたぶん無理という崩落現場に直面し、あえなく引き返すことになったのよ。
で、引き返す途中、行きがけに転倒した場所とほとんど同じところでまた転倒。箱外して起こそうとするがやっぱり起こせない。ああ、また、ジムニーの人たちに助力を請わねばならんのかと思って下の広場を見ると、3台いたジムニーが2台減っているではありませんか。さっきの兄さん2人は帰ってしまったのか。残り1台とはお仲間ではなかったのか。で、残り1台の乗り手は見当たりませんよ。
独力でバイクを起こすべく、いろいろやってみる。タイヤ下のグリップ稼ぐために石組んでみたり、木の枝持ってきて梃子の原理を復習してみたりしてね。でもそんなに隙間ないので起こせません。標高が高くて曇っているのが不幸中の幸いで、バイクを起こすとき以外は汗は出ません。箱とヘルメットを下の広場に下ろします。30分ほど格闘しておりましたが、これは危険。茶はもう100mlくらいしか残っていない。食料はない。食い物もないので、休んでも体力が回復するとは思えない。どうする金田、どぉすんだよお。
ジムニーの運転手はいつ戻ってくるだろう。群馬ナンバーだ。窓から見えるかぎりでは、大荷物でもなさそうだ。広場から見下ろすと渓流がある。釣り人だろうか。泊まりがけではないと信じたい。しかし、まだ13時半。夕方にならないと戻らないとしたら3時間以上か。電話は林道に入ってから圏外。つながったとしてもこんなところに呼び出せる知り合いもいない。バイクレスキュー呼べたとしてもここまで来てくれないだろうな。来てくれたとしていくらかかるかな。日曜日だからほかにも遊びにくる車いねえかな。でも13時半だしな。平日でなくてよかったな。途中に止まっていた車の人が帰ってくるかもしれねえな。分岐まで歩いてみるか。GPSで見ると、2kmくらいあるのか。あっちが本筋っぽいので、車通りも多いんじゃねえかな。自分がいないときにジムニーの人が戻ってくるかもしれねえな。でも、戻る先は分岐の方だから、もし降りてきたら呼び止めればいいか。念のため、置き手紙していくか。手帳の1ページを割いて、ワイパーに挟んでおいておくぜ。車の近くに箱とヘルメット置いておけば効果倍増だろう。
13時45分頃に、分岐に向かって出発。雨がぱらついたりするが、かっぱを着こむほどではなさそうだ。通じない電話と財布と残り少ない茶が入ったペットボトルを持って下り始める。ちょっと喉が乾く。誰も通らなかったら遭難だな。バイク見捨ててさらに下るか。明日休みでよかったな。下るにしても、10km以上歩くことになるんじゃねえかな。どうしたもんかな。分岐までの往復で水分無駄に消費することにならねえかな。
分岐までの途中に止まっていた車2台は熊谷ナンバーで、広場から見て手前にはX-TRAIL。広場まで入ってこないのは、そこから上で小規模な崩落やらなにやらがあるからだろうか。もう少し下ったところにある1台は社名が入った軽のワンボックス。仕事中なのだろうか。そうだとしたら、間違いなく今日中に帰ってくるだろう。何時かわからんけど。沢の音がエンジン音に聞こえたりするが、実際は車も人も通らない。ワンボックスからさらに1kmほど歩き、結局分岐まで降りてきた。待つこと10分。車は通らない。茶が残り少ない。ええと。これは。さらに下ったほうがいいんじゃねえか。いや。さっきの仕事の車の人は戻ってくるだろう。いや。いつか走ったあの林道で、おそらく林道の前後で崩落が起こって、車を放置していた例があったじゃねえか。いまは走れるが、しばらく放置されていたとしたら。いや、砂埃が積もっていたりということはなかったし。
腹を決めて、広場まで引き返すことにした。少し登ったところで、本筋の方でエンジン音が聞こえたような気がしたが、目指すは広場だ。ああやっぱりこれだめなんじゃねえの。もし誰も帰って来なかったとして、一晩持ちこたえられるのか。鹿はいたが、熊もいるんじゃねえか。虫嫌だ。雨激しく降ったら自分も大変だが、バイク倒れたところがまた土砂崩れするんじゃねえか。昼飯食ってから林道入るべきだったんじゃねえか。
で、軽ワンボックスまで戻ったら、人がいるのです!2人!どうやら仕事ではなく釣りにいらっしゃっていたようで、兄さん2名が胴長を脱ごうとしている!声かけて助けてもらうんだ!残った茶も飲める!と思ったら、兄さんの方から声をかけてきてくれた!「バイクの人かい、俺たちが起こしてジムニーの所まで下ろしておいたぜ。行ってみなさい。気をつけてね」とおっしゃる!うわなんだかもう感謝感謝!お辞儀お辞儀ぺこぺこ!腹もぺこぺこですが!つ、ついでに車に乗せていってくれないかなあと思ったんだが、どうやらジムニーとは関係ないようで、ただ、あのあたりから沢におりていっていらっしゃったようでした!置き手紙しておいてよかった!
そんで歩いて広場に戻ったらたしかにバイクが立ててある!タイヤ転がらないように石かましてあったりして素敵!途中のX-TRAILの人とジムニーの人はまだ帰ってきていないようで、置き手紙もワイパーに挟んだままだったので回収!ああ本当に助かった!茶飲み干す!15時!2時間以上無駄にした!

で、おとなしく林道下るのと、さらに先に進むのと迷ったんだが、本筋はこんな危険な路面ではなかろうと決めつけて、復帰後、さらに奥に進みましたよ。雨がしとしと降り始めたのでかっぱ着た。そういえば群馬の天気予報確認しておりませんでしたなあ。フラットダートで走りやすい。バイク、車数台とすれ違う。鹿複数。アオゲラか何か。キセキレイ多数。コースターとすれ違う。狭いところでちょっとふかふかの路肩に一旦停止後、脇を通ってほしいような様子だったので、発進したらふらついて転倒。コースターの運転手に手伝ってもらって起こす。先にコースターに行ってもらう。気をつけてと言われる。
皇海山登山口では夫婦らしき人にシャッターボタンを押してもらうよう頼まれる。吹割方面に抜けられることを確認し、出発。雨止まない。路面は小規模の川。しばらく走ったら、少し開けたところに出る。「携帯電話可」の看板あり。ハイクに生存報告。その直後に強烈な轍。その先でポリスに呼び止められ、林道に残っている車はいないか聞かれる。なんだか一度林道封鎖するようなことを言っていた。


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やっと林道を抜け、吹割近くのセヴンエレヴンで休憩。水分補給、菓子パン食って腹満たす。駐車場でおっちゃんに話しかけられる。雨で大変だねえと労われる。夕立は予報されていたとの由。まあそうじゃろうのう。
遭難未遂の後遺症と時間的な問題、雨もまだ止まないので、散髪を諦める。ガソリン残り少ない。老神温泉街には寄ってみたが、散髪屋は閉店していた。国道で白沢まで行ってガソリン入れて赤城西麓広域農道に入ろうとしたら雨上がって素敵な夕焼けよ。広域農道は路面が濡れていて真っ暗なのが怖かったが路面乾いて明るい時間帯だったらたまらんだろうな夜景もまあ素敵だったが。

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一人で走る方が勝手なところで止まれるし好きなペースで走れるし良いことばかりなんだが遭難の危険は高まるのうつうか自分のバイクが起こせないなんて問題ありますねどうしたもんかな。


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