I'll buy it.

zushonos2011-06-19

今日は寝て過ごしたので、かいそうでうす、5/25の群馬行きの。

2日続けて休みがあって、しかも初日は晴れそうで、その後しばらく天気が悪くなりそうだったので、バイクで遠出しようと考えた。
宿泊する金はなく、高速道路の休日割引も適用されない曜日なので、それほど遠出はせず、日帰りを想定する。いくつか候補はあったが、5/20に冬季閉鎖が解除されたという万沢林道を走ってみたかったので、群馬北西部に行ってみることにした。万沢林道周辺には行ったことがない著名観光地がいくつかある。尻焼温泉川原湯温泉野反湖に行ってみるか。
金銭面で精神的な余裕がないので、高速道路で払う金を抑えたい。体力やら想定される交通量やらを考えて、5時に起きてできるだけ早く出発し給油と図書館で借りた本を返却し、東松山ICまで一般道を走り、そこから月夜野ICまで通勤割引で1050円という計画にした。

自宅から東松山ICまでは50km超の距離があるが、早朝なので交通量は少ないだろう。順調にいけば2時間程度か。通勤割引適用を受けるには、9時までに料金所を通過しなくてはならないので、十分間に合うとは思うが、道草を食っている余裕はないという見通し。
晴れてそこそこ気温は上がりそうな予報だったが、標高1500m超の場所に行くので、上衣は3シーズンのジャケットにして、首巻きも装着。下はレザージーンズである。もう15年くらいバイクに乗っていることになるので当然かもしれんが、衣類の選択は枯れて間違いがなくなってきたのう。
その他の荷物はキャメラと双眼鏡と念のため雨具だ。これらは鍵がかかるリアボックス(通称:箱)に収納する。この箱は、荷台の上に固定され、雨風盗難を避ける。いちど使い始めると手放せないスーパーアイテムなのだ。
さて、箱が固定された荷台は、右前、右後、左前、左後の4箇所で、ボルトを使って車体に固定されている。10日ほど前に山梨の林道を走った際、右側2箇所のボルトが脱落するという事件があったのだが、帰宅後すぐにボルトを付け直したあと、今回とほぼ同じ量の荷物を積んで100kmほど走っていたので、まあ大丈夫だろう。
家を出たのは5時半過ぎで、給油、本の返却を済ませたら6時ちかくなっていた。世田谷通りを通って環八に入る。その後、R254に入るつもりが、関越道の通りで曲がってしまい、たぶん初めて走る細めの道をくねくね行く。だがそれが良い。
無事R254に合流してからは東松山までほぼまっすぐ。途中、「お葬儀」「リバー(サイド)フェニックス(ゴルフクラブ)」「アイスクリームバイキン(グ)」などの魅力的な看板などを目にするが、ちょっと良い調子で走っていたのと、「9時に遅れてはならぬ」という思いから、撮影できずじまいで後悔甚大。市街地の一般道を走るチーズ?ヨーグルト?醍醐?味は看板ですのにね。結局8時ちょうどくらいに東松山ICに到着してそのまま高速道路入り。1時間写真撮っても良かったじゃねえか。

高速道路はちんたら走る。「速度違反をしないように、いちばん速い車の後について走る」などという考えを持っていた過去の自分が信じられない。途中のパーキングエリアで朝飯食って休憩したりしたりしたりして、月夜野ICに着いたのは9時前。晴れてはいるが、冬に比べれば大気中の水分が多いのだろう、遠景は少々霞んで見え、透き通るような青空がどこまでも広がるというわけではない。標高は360mほど。
国道17号を新潟方面に行く途中で、昨年11月に秋山郷に行く途中で立ち寄ったセブンイレブンで休憩。遠出したときにたまたま立ち寄ったコンビニエンスストアで買い物して、店員に「またお越しください」と言われると、『(偶然寄っただけなので)もう来ねえよ』と思うのだが、存外同じ店に入ってしまうものであることよ。
途中、恐怖の館の看板に惑わされたりしつつ、道の駅たくみの里で休憩したりしつつ、県道53号を西進する。奥平温泉遊神の湯という施設に入っていくような分岐から、本日のお楽しみその1、秋鹿大影林道に入るのですよ。

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分岐から少し進むとアスファルト舗装が途切れて未舗装路(土の路面)になる。四万温泉まで、峠越えの林道であるから、まずは標高を上げていくことになる。
平日でもあり、交通量はほとんど無いが、未舗装路に入ってすぐ、普通車の対向車2台とすれ違った。四万温泉国道17号を結ぶ最短路ではあるので、そのような使い方をしている車だろうか。
前日までは雨が降ったり止んだりの天気が続いていて、路面は多少湿っていて、水たまりも散見。土埃が立たないのは歓迎だが、水たまりは敬遠したい。水たまりにバイクで勢いよく突入すると、前輪が巻き上げた水が両足のひざ下あたりを直撃しがちであるから、発見次第、減速し、なおかつ、突入から脱出にかけては、両足をステップから上げて通過することが多い。水の直撃は避けられるが、ステップから両足を離した時点で車体は不安定になり、また、水たまりの底の路面状況がわからない。さらには、コーナー部分や、橋の前後など、コンクリート舗装→土と路面が変わる箇所などに多く、ハンドルを取られる可能性が高まるという、イクサイティングなモーメントである。
地形図によれば須川川という川を左手に見下ろす場所で休憩。林の中の道で、頭上の狭い空は青くて美しいではありませんか。
なかなかの巨木が多い林道を峠まで登っていく。休憩中、ふとバイクの荷台を見たら、あらまあボルトが一本脱落しているではありませんか。今回は右前のボルトが一箇所だけ脱落しているので、前回に比べるとましだが、残ったボルトにかかる負担を減らすため、箱の中からキャメラが入った鞄を取り出して、シートに固定することにした。盗難抑止力は大幅に低下するが、人ごみに行くわけでもないので、まあ大丈夫だろう。雨が降りそうになくてよかったよかった。
峠の標高は1080mほど。分岐もあるが、ゲートが閉まっている。日差しによる気温上昇と標高による気温低下が相まって快適。山の中は楽しいなあ。
峠を越えて下りきると四万温泉の少し南に出る。未舗装路は15kmくらいか。未舗装路からアスファルト舗装にもどると、ほっとしたような、がっかりしたような気分になる。荷台のボルトを見ると、さきほど見た以上の悪化をした気配はない。

四万温泉に到着したのはおよそ11時30分ころ。数年前に泊まった宿やらダムやら熊避けの鐘やら見て、川原の共同湯に入ろうか、飯を食おうかと迷ったが、場所としての主目的は野反湖尻焼温泉川原湯温泉だったので、少し先を急ぐことにした。四万温泉から西に伸び、峠を越えて野反湖の南に出る、本日の楽しみその2であるところのものであるところのものであるところの万沢林道に進む。


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万沢林道は、「関東地方には残り少ない連続する20kmの未舗装路(ただし近年舗装化工事が進んでいるらしい)」「1kmの直線未舗装路」といった特徴で、物好きの間では著名なのだが、私自身は今回初めて走った。
交通量も少なく、快適な林道である。直前の秋鹿大影林道も同様であったが、鳥も多く見られる。コガラ、シジュウカラゴジュウカラホオジロ、カケス、アカゲラ、(たぶん)オオタカなどなど。姿は見つけられなかったが、停止して休憩していると、オオルリが盛んにさえずっている。

ところで、ボルトが一本外れた荷台はその後どうなったかなと気になって、少し広めの場所でバイクを左に寄せて停止したときから、自己最高の一人相撲が始まった。いや、もっと前から、一人相撲は始まっていたのだ。
バイクを停止するときは、スタンドを下ろして、これを路面に接地させ、2本のタイヤとスタンドの3点で車体を支えるのが基本だ。しかし、舗装されていな路面では、スタンドが地面にめりこんでしまい、そのままバイクが横倒しになることがままある。そこで、スタンドが接地する部分に、大きめの石を配置するなどして、地面にめりこむのを防ぐという知恵が、各種メディアやコミュニティを通じて伝えられ、広まっている。スタンドの先端の接地面積を増やそうと、空き缶を潰して巧妙に取り付ける方法や、この空き缶やそれに準じるものを携帯するという流派もある。今回の私は、大きめの石を探してその上にスタンドを接地させる方法をとった。
ところで、一年ほど前に、山梨県の雨畑集落で細かい切返しに失敗して転倒して以降、どうやらスタンドの根本部分が若干ゆがみ、払われやすくなってしまっていた。アスファルトやコンクリート舗装の安定した路面でも、以前に比べると、些かの不安をおぼえることが多くなっていたのだが、未舗装の路面だと、この不安は増幅されてしかるべきであるからして、探してきた石に、極めて慎重にスタンドを接地させた。ひとまず車体は安定した。

左前方のボルトも抜けているが脱落には至っていない。左前方が跳ね上がり、後ろ2箇所を軸に荷台が前上がりである。
前を押し下げようとする。車体がわずかに前進する。スタンドが払われる。自分がいる方に車両が倒れてくる。浴びせ倒しをくらった形で下敷きになる。

スタンドが不調であったのにだましだましやってきたこと、先日ボルトが脱落したのも未舗装路が関係していて、今回も1箇所脱落したのに、警戒していなかったこと、足場が悪いのにそこに注意を払わなかったこと。荷物を下ろし、箱を外し、ハンドルを右いっぱいに切って左側ハンドルを持ち上げることでなんとか車体を起こしたこと。シートを外して車載工具を取り出したが、荷台を止めたボルトに合うサイズの六角レンチが入っていなかったこと。それでもペンチなどを使ってなんとか仮止めしたころ、初めて対向車のバイクが降りてきたが、こちらが面倒の渦中にあると知ってか知らずか、会釈して挨拶しただけで通り過ぎられたこと。すべて、分かりやすいくらい、自分が仕込んだ原因である。そして招いた事態が被浴びせ倒し。まさに一人相撲。

その後は、下敷きになった右ひざが痛むし、仮止めにすぎない荷台は気になるしで、通常ならば楽しみが削がれたとしても憎みこそすれ感謝することなどない、林道途中のアスファルト舗装を歓迎するわ、せっかくの1km続く直線未舗装路もちんたら走るしかないわで、しかし今のところ大怪我には至らないところで良い話の種ができたのも事実だわで、苦笑いの絶えない行程となった。

平日なので、それほど混雑していない野反湖も(昼飯代わりにケーキ食ったが)、河川内の露天風呂が増水のため入浴できず、土手の共同湯利用に留まった尻焼温泉(犬猫おっちゃん看板それぞれ興味深かったが)も、川原湯温泉聖天様露天風呂も(感じの良いおっちゃんおばちゃんと混浴に至ったが)、八ッ場ダム建設現場も、俺様の苦笑いを止めることはできなかった。もはや夕暮れ時。
苦笑いを止めるには、キャリアを固定して安心して走るほかない。そのためには工具とボルトが必要だ。しかし、必要なボルトは、50mmM8のキャップボルトというサイズで、少々規模の大きなホームセンターでもないと売られていない。山中の林道や温泉を巡っていると、ホームセンターなど見当たらない。もし店があったとしても閉店してしまいそうな時刻だ。さらには、通勤割引を狙うには20時までに高速道路に乗らないといかん。結局今日も急げ急げの日だ。
川原湯温泉からは国道を東進。18時45分くらいに、中之条町のホームセンター、セキチューに辿り着く。んが、50mmM8のキャップボルトは在庫なし。せめてもの応急処置のため、安い六角レンチセットを購入。荷台を固定するべき4箇所のうち、3箇所は固定できたような気がする。駐車場で固定作業中、隣に止まった車のおっちゃんにzumoについて尋ねられる。ちょうど作業が終わった頃、19時になり、閉店。
20時に間に合うように関越道のICを目指す。20時前、前橋ICに到着。荷台の固定もまだ大丈夫のようだ。関越道に乗り、自宅へ向かう。平日の夜は渋滞もなく快適。ちんたら走って、大都市近郊区間は夜間割引になる時間帯に利用。正規料金の半額で済んだぜへへへ。荷台も帰宅までもちましたよ。

↓は全行程の前半部分が表示されちょる。下部のリンクから後半も表示できるのよ。

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