足跡

zushonos2007-08-29


自分の業務が一区切りついて、帰ろうとしたとき、まさるさんが企画中の商品を机上に広げていたのが目に入った。
興味深かったので、いろいろちょっかいを出していたら、現状での問題が浮かび上がってきた。この手の問題は得てして雑談中に発覚するものだと、ちょっかいを正当化しておく。
その問題というのは、ある要素に対する連番の付け方であった。20本のルートに対して、それぞれ10箇所の地点を連番で表現するために、「ルート番号-地点番号」という法則でいくという手段のほか、全ての地点を連番で表示してしまうという手段も考えられた。
連番から、ゲームブックの話題に飛躍した。まさるさんは私とほぼ同世代で、小学生時代にファイティングファンタジーシリーズやソーサリーを経験していた。まさるさんは中学生以後、基本的に空白期間であったそうだが、一方の私は大学生時代に通った古書店街で大量のゲームブックを見つけて買い漁るなど、熱が再発した時期があったため、比較的記憶に新しい。私がさまざまな用語を掘り出しながら、まさるさんが記憶をたどるという形式で会話が展開した。
バルサスの要塞

の表紙(復刻の扶桑社版ではなく社会思想社版)が怖いとか、米英のスティーブ・ジャクソンの区別とか、双葉のファミコンゲームブックとか、まさるさんは当時バック・トゥ・ザ・フューチャーゲームブックで母ちゃんと仲良くなってバッドエンドになる理由がわからなかったとか、ドラゴンファンタジーはご存知ないとかいう話をして、「ゲームブックが衰退したのは、コンピューターゲームが普及して、ページをめくったりさいころを振ったりする手間を面倒に感じる人が増えたのが原因だろう」という話題を持ち出したところ、まさるさんから意外な告白が聞かれた。
「僕はわざわざサイコロを振ることはせずに、技12体24運12*1でしたよ。敵との対戦も常に勝利。ソーサリーで呪文を唱えるときはもちろん巻末参照」
これはつまり、ゲームブックのルールに従わず、不正を働いていたという告白である。私が大学時代に購入した古本のゲームブックに挟まっていたキャラクターシートに、技12体24運12と鉛筆で書かれた跡があったのを見て、ひどいやつだと思ったことがあるが、そしてその種の不正は、まさるさんも読んでいたというウォーロックの読者投稿コーナーでも、風刺的な投稿イラストで批判されていたことがあるのだが、弊社の次代を担うエース・まさるさんは、今はどうだか知らんが、かつて不正を働いていたのである。
古本のキャラクターシートには数値を書き変えた(つまりサイコロを振った結果を一応反映した)跡があったが、まさるさんはそもそもサイコロを振ることすらしなかったそうだ。それはそれで徹底しているともいえるので、ある種まさるさんらしくはあるのだが、幻滅し、同時にまさるさん不正幻想が膨らんだ。

*1:技術点、体力点、運点または技量ポイント、体力ポイント、運勢ポイントとその数値の略。それぞれ1d6+6←6面体ダイスを1つ振って出た数に6を足す、2d6+12、1d6+6で決定。数値は大きい方が有利。つまり12,24,12は最高の数値。この数値が出る確率は1/6*1/6*1/6*1/6で、1/1296 だと思う