食えないやつ

水面下近所には、小さな印刷工場や倉庫などが多い。1階部分が倉庫になっていて、住居が2階部分という建物も多いので、先日の選挙の際に「お二階からありがとうございます」というせりふが多く聞かれたのだろう。
で、選挙の際に、1階部分というよりも2階に通じる階段部分が選挙事務所になっていた建物がある。選挙が終わると、事務所だった場所には、有限会社名を記した紙が貼り出された。
ここ数日、おそらくこの建物の住人の私物処分であろうが、芸術性を感じさせる手書きの「無料」「ご自由にお持ち帰りください」といった貼り紙(英文訳を併記)の前に、さまざまな書籍(美術関係のものや、大学入試関係のものが目立つ)や、園芸店などで売られている袋入りの野菜の種子、おしぼり、飲み屋のマッチなどが並べられている(ちなみにいわゆる100円ライター(ただし飲み屋のロゴ入り)は、無料スペースの隣に並べられた有料スペースに陳列してあり、20円という値札がついている)。
書籍は、興味がある本であれば、古本として役に立つ。野菜の種子は保存状態次第だが、蒔いてみれば芽が出るかもしれない。マッチも湿気ていなければ使えるだろう。おしぼりは食事処に行くと出てくるビニール袋に入ったあれであるが、ビニール袋が半端に開封されていて、乾燥している。抵抗はあるが、それでもウエスとして使おうと割り切れば、まあなんとかならなくはないだろう。
そんな中に、私にはどうしようもない一品が複数含まれていた。個包装で密閉されてはいるようだが、飴玉である。私は小学生のとき、ゆで卵は殻ごと食う習慣があり、バナナやキウィの皮も食ってみた(後者はのど越しがざらついて最悪であった)ことがあるが、これは食えない。